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【2022年度版】企業ブランディングとは?成功事例も9つ紹介

December 1, 2022

企業ブランディングとは?

言葉の定義

企業ブランディング(Branding)とは、商品や企業のイメージを自分達が理想とする方向に印象付けることです。

近年、多くの企業が注目するように変わってきました。

今回は、ニューヨーク大学で企業ブランディングコースを受け、インターネット広告代理店での勤務経験があるわたくしが、企業ブランディングについて基礎知識やノウハウを書き込んでいきます。

ちなみにブランディングに関しては、カンヌ国際広告祭でもFilm部門などで受賞している広告については、海外が中心にはなりますが参考になります。

目次

  1. ブランディングを実施するメリット・注意点
    ・無形資産を作れる
    ・広告費用を抑制できる
    ・ファンのエンゲージメントを高めることができる
    ・競合他社から差別化できる
  2. ブランディングに成功している事例9選
    ・P&G
    ・コカコーラ
    ・マツダ
    ・ポカリスエット
    ・ナイキ
    ・ココナラ
    ・ハウステンボス
    ・バルクオム
    ・パタゴニア
  3. 直近の世の中の変化やブランディングにおける重要なこと
    ・多様性が重視される社会になってきている
    ・強いものより、個性
    ・個人がメディアであり、発信者
  4. まとめ

ブランディングを実施するメリット・注意点

企業ブランディングを実施する上で考えておきたいメリットについてまとめます。
下記に列挙した点などがあります。

無形資産を作れる

ブランディングに成功すると、無形の資産を形成できます。

ブランド力は目に見えないのと、財務諸表にも数値として上がってこないので、実際に効果があるのかどうかを判断するのは困難な場合が多いですが、長期的な利益につながり、自社製品やサービスのファンを獲得できるため、長い目で見て施策検討するのをおすすめします。(逆に短期的な売上を求める場合はブランディング施策ではなくキャンペーンといった販売促進施策がより良い選択となります)

広告費用を抑制できる

企業が広告施策を行う際に、ブランディングに成功している場合、通常より獲得効率よくユーザーを獲得できます。

たとえば、ナイキの広告を見るのと、全く名を知らない靴のメーカーの広告を見るのでは、前提の認知がなく、ブランドに対する期待値が不明なため、全く名を知らない靴の場合は購入を躊躇する、といった反応の違いがあるでしょう。

ファンのエンゲージメントを高めることができる

購入後のリピート率を上げることにもつながります。

パタゴニアは環境問題に取り組む数少ないアウトドア系ブランドですが、衣類を作るときに発生するCO2を削減する取り組みを実施しており、実績も出しています。その結果、環境問題へ意識の高いユーザーの獲得に成功しています。

こういったパタゴニアの取り組みや姿勢に共感しているユーザーは、今後他のアウトドアブランドと比較したときに、パタゴニアを選択し続けるでしょう。

競合他社から差別化できる

効果的なブランディングを考えて実行している企業は、競合他社を排除できます。
Macbookを愛しているユーザーは、購入費用が高くてもMacを買い続けます。

上記を踏まえて自社サービスを見たときに、メリットがあると感じた場合はブランディングを検討してみてもいいのではないでしょうか。

ちなみに、販売促進(販促)と、ブランディングの違いについて、下記に図としてまとめておきましたので、参考にしてみてください。
基本的には、短期的に売上が欲しい場合は販促施策を実施し、長期的にファンを獲得していきたい場合はブランディング施策を検討することになります。

ブランディングに成功している事例9選

今回は海外の会社を中心に紹介していきますが、ブランディングに成功している事例は多くあります。
コカコーラ、と聞くと、大衆に広く受け入れられた、赤と白のブランドカラーをイメージしたり、
ナイキ、と聞くと、なんだか強くなるような、背中を押される強いメッセージ性を感じるではないでしょうか。

これは、企業ブランディングの施策によってもたらされた成果です。

コカコーラは、CMには大衆受け、家族に受けるような幸せそうなシーンを使い、必ずといっていいほど、赤色のバックグラウンドに、白いスウォッシュのようなラインを使用しています。

ナイキは、「Just Do It」に代表されるような力強いメッセージと、スポーツ選手の走る姿や対戦相手と戦っている姿を、かっこいい映像と共に映し出しています。

今回は、このような企業のブランディング成功事例をいくつかご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

P&G

P&Gはアメリカのオハイオで1837年に設立された企業で、100年以上の歴史のある企業です。

日本でもパンテーンや、ファブリーズなどが有名ではないでしょうか。ドラッグストアに行って見ない日はありません。

こちらの企業は、マーケティングが強い会社として有名ですが、2012年のロンドンオリンピックにて『Best Job(母の愛)』という、スポーツ選手を支えるお母さんにフォーカスを当てたブランディング系の広告を流し、成功しました。

日々のお母さんを支える、という関連のブランドメッセージをP&Gはオリンピックで莫大な予算をかけて世界中に訴えました。

P&Gは既に有名な企業となっていますが、改めて企業の姿勢、存在意義を世間に再認知するきっかけとなっています。

コカコーラ

アメリカの老舗飲料メーカーで、もはや説明は不要だと思います。

この飲料のロゴやイメージを想像すると、赤色の背景に白色のスウォッシュラインを想像するのではないでしょうか。

アメリカだけでなく、世界的に愛飲されているコカコーラブランドは、巧みなCM戦略を中心に様々なキャンペーンを実施してきました。

CMには、家族や大人数で幸せそうな描写がいくつもされています。

また、スポーツイベントへの協賛も積極的に行っており、2020年東京オリンピックの公式協賛パートナーとなっていたことは記憶に新しいでしょう。FIFAワールドカップにおいても協賛を行っております。

全員で観戦する国民的なスポーツのそばにコカコーラがあるようにブランディングしているのでしょう。

また細かい話ですがコカコーラブランドを用いて、様々な派生商品も作っています。
カンパニーロゴブランディングのような形で、同じコカコーラの冠を持ったまま、ゼロコーラや様々なフレーバーコーラが作られています。

これによってユーザーが受け取るメリットは「どれも同じくらいの品質を期待できる」ということです。

コンビニでも、大きなデパートやスーパーであればある程度品数や商品の品質が予想できるのに対して、地方の名も知らない商店街の商店だとすると、少し怖くて入るのを躊躇ってしまうのと似ています。

ユーザーはそのブランドの名前とイメージをすでに頭の中に持っているため、販売する際の広告費用の抑制や商品開発時の予算も抑えることができるでしょう。

マツダ

マツダは、1920年に広島県で設立された自動車メーカーです。

数年前までは、トヨタやホンダなどと同様、トップシェアを狙いにいく戦略でしたので、
よく耳にもしていましたし、走っている車も多く、大衆向け、の印象を持っていたのではないでしょうか。

ところが、他にも複数の競合がいる状況にマツダは、現状を考えて同じように競争を続けていくのは困難ではないかと考えました。

そのため、大手の数社自動車メーカーとは異なる戦略で戦っていくことを決意したのです。「2%戦略」という形で、マツダの熱狂的なファンに集中してアンケートを取り、自社が注力していく分野を絞り込みました。

その結果、今ではマツダはSUV市場において、シェア率を急速に伸ばしています。

今ではあまり大衆車の印象を受けなくなってしまったマツダにはそんな事情があります。

ポカリスエット

ポカリスエットは大塚製薬が1980年に発売された飲料水です。

当時、メキシコに出張していた研究員が、激しい下痢に襲われて脱水症状に陥りました。その時、研究員は「汗をかいた時に失われる栄養分を水分で摂ることはできないか?」と考えました。

そして、実際に生まれたのがポカリスエットです。

一時期はとても売上を上げていたポカリスエットですが、2011年以前は売上が低迷していました。CMの戦略としても、何処かチグハグで統一感のないCMの制作がされている状況でした。

おじさんくさい印象のあったポカリスエットをリブランディングし、若者も飲む飲料にするため生まれたのが、2015年の下記の動画です。
汗をかいたときに飲む飲料ということで、汗が気持ちよく見える高校生がアサインされ、元気な印象を持つポカリスエットのCMが生まれました。

下記CMを皮切りに、みんなで踊れるダンス系のCMを作り、Web上でダンスを真似する若者を大量に作り出したり、コロナ禍では高校生がオンラインミーティングのツールを使って合唱をするという新しい表現にチャレンジしたりと、非常に爽やかな印象に生まれ変わりました。実際に売上も向上しています。

ナイキ

ナイキは1964年に設立されたシューズメーカーで、こちらもブランディングには大成功している企業と言えるでしょう。

企業の名前を聞くと、力強いイメージやスポーツ選手の真剣な表情が想像できるのではないでしょうか。

こういった印象も、ナイキが自分達で作り出した産物と言えます。

「Just Do It」に代表されるナイキは、自社の姿勢として、アスリートを応援するブランド、を作り出すことを決定しました。

実際にCMには、一流のアスリートをアサインし、クールな印象をもつCMを作り出しています。

こちらのCMは、カンヌライオンズにて2021年にフィルム部門を受賞しました。

ココナラ

ココナラは2012年に南章行、新明智、谷口明依の3名でウェルセルフとして創業されました。(後にサービス名のココナラに社名変更)ココナラは、CtoCスキルマーケットシェアのサービスを展開するベンチャー企業です。

2017年当時、ココナラは競合であるクラウドソーシング系サービスのユーザー数を一気に抜き去るために、社運をかけて、6億円をかけたCMを制作・放映しました。この施策が失敗してしまうと会社が終わってしまう、という状況だったそうです。

ココナラのCMは皆さんもご存知かもしれませんが、「得意を売り買いココナラ」というジングルが有名です。

海外ではソニックマーケティングとも呼ばれる手法で、ジングルを作り、聞いた人に刷り込んでいくことで、企業の認知度を向上、ユーザー数を獲得していきます。

どちらかというとマーケティング寄りなお話になってしまいましたが、日本ではまだ馴染みのないソニックマーケティングによって認知度向上、ユーザー数向上を達成した事例だったのでご紹介します。(もちろん音の威力だけで成果があがったとは考えづらいですが、大きな要因にはなっていると想定しています。)


ハウステンボス

ハウステンボスもリブランディングに成功した企業と言えます。

2010年当時、ハウステンボスの印象は「チューリップ畑」。現在の世界最大のイルミネーションがあるテーマパーク、などの印象はまるでありませんでした。

そんな中、HISの澤田社長が経営再建に介入し、ハウステンボスの印象をガラっと変えるべく、様々な投資を促していきました。

具体的には、世界で一番多いイルミネーション、プロジェクションマッピング、ARゲーム体験、IPとのコラボレーションなどです。

東京ドーム33個分、東京ディズニーランド2個分もある広大な土地を用いて様々な施策を実施しています。

澤田社長の功績として売上はV字回復し、子供たち、ファミリー層もよく訪れるテーマパークとなりました。(現在は香港の投資会社に売却)

バルクオム

バルクオムは2017年に設立されたメンズ系のヘアケア商品を開発している企業です。木村拓哉をアサインした「ボンボン、ボンボン、ボンボン、バルクオム」というリズミカルでクールな印象を持たせるCMや、ブラックとホワイトで統一されたシンプルなデザインを採用しています。

バルクオム自体、設立年数も数年程度で、PGなどの大手企業が有象無象としているレッドオーシャンの中に「メンズヘアケア×クールでシンプルなデザイン」というブランディングによって市場を開拓していった企業です。

現在は、インターネット上での購入もできますし、ドラッグストアでも販売されており、販売網を増やしている状況です。

パタゴニア

パタゴニアは、1973年にアメリカで設立された、アウトドア系のファッションアイテムを取り扱うブランドです。
パタゴニアは環境問題について深く考えをしめすブランディングを一貫しておこなっており、日本でも、「環境に関わる法律を作る国会議員を自分達で選ぼう」とのことで、衆議院議員選挙の投票日はお休みにするなど、様々な施策をおこなっています。

2022年、パタゴニアの創業者のイヴォン・シュイナード氏は、2022年9月14日、パタゴニアの全持ち株を環境団体に譲渡することを発表しました。こちらも、企業としての姿勢である、儲けよりも環境保護、という考え方を感じることができます。

直近の世の中の変化やブランディングにおける重要なこと

本日紹介してきたブランディング事例は、過去のものを中心に幅広く掲載していますが、ブランディングや企業が目指す方向性を指し示す場合は、世の中の動きを理解した上で実施していく必要があります。

現在の世の中の兆候を、いくつかピックアップしましたので、ぜひ参考にして見てください。

多様性が重視される社会になってきている

LGBTといった性に関する多様性や、働く女性、育児をする男性、のように、男女平等に関するもの、また、健康への興味関心の増加、よりよく生きるためのWellbeingに関すること、などといった事象が注目されてきています。

アメリカで黒人男性が白人警官によって殺されてしまう事件が起こったり、コロナの時期では一部の方がアジアンヘイトを行ったりなど、マイノリティを排除する動きがなくなっているわけではありませんが、徐々に減らしていこうという動きを感じることはできます。

強いものより、個性

今までは、有名人が一般人離れした美しさやかっこよさを持っていて、人々の憧れのような存在でした。

しかし、現在では、YouTuberなどの、「身近にいそうな応援したくなるような存在」の影響力がどんどん増していますし、お金持ちが強い、大企業のサラリーマンがいい、などといった固定概念も崩れてきており、非常に多くの選択肢が出てきています。

個人がメディアであり、発信者

今までは、4大マスメディアであるテレビ・ラジオ・新聞・書籍、が発信元であり、企業はこれらの媒体でどのように広告していくか、と言うことだけ考えればよかったのですが、現在は、インターネット広告やSNSでのオウンドメディア発信、インフルエンサーの活用施策など、発信の方法が爆発的に増えている状況です。

現在は、企業も自社がメディアとして、目指していきたい方向性を簡単に発信できるようになっています。

これは、コンテンツさえ作ってしまえば、自社のファンを獲得しやすい状況になっているのですが、今までメディア側が編集していた情報を自社でしなければならないので、より情報編集の力が求められるように変わってきているでしょう。

こういった世の中の流れは、時代によって少しずつ変化していきます。

ブランディング広告で、広く一般の方に自社の方向性を指し示していきたいと考えている企業は、「その動画や広告の表現が現在の世論と外れすぎていないか?」をきちんとチェックした上で実施していきましょう。

動画でブランディングを検討している方はDoFullへご連絡ください。

いかがでしたでしょうか。

ここまでで、ブランディングに関する基礎的な内容と、ブランディングに成功している企業の事例を紹介してきました。

注目されてきているとはいえ、まだ日本では大企業で大きな予算がないと参入しずらいと考えている企業も多いのが現状です。

弊社(DoFull)であれば、YouTubeやTikTokを用いて企業の目指したい方向性をヒアリングした上で、
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執筆者:河辺昇輝

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