『サウンドロゴ』という言葉をご存じでしょうか?音による認知拡大や印象付のために使用されるロゴで、ソニックブランディングの中の一つの要素として存在します。
Nintendo SwitchのCMが始まる前の「カチっ!」という音や、PayPayの決済音、Netflixのダダーン、と伝えると、イメージしてもらえるのではないでしょうか。
元々昔から意識はせずともCMには数多くの企業がサウンドロゴや、ジングルを使用されてきました。しかし、近年、少しずつ注目が集まってきているのです。
近年、私たちの生活は、「音」に関するテック企業が非常に活躍してきています。
YouTubeやTikTokなどの動画媒体の盛り上がりはもちろん、AirPodsなどのワイヤレスイヤホンの普及と共に、Spotify、Voicyなどのポッドキャスト界隈が盛り上がり始めてきました。
そもそも音を聞く機会が増えているのです。こうした状況の中で、企業が自社をブランディングしていく上で音に注目するのは必然です。
本日は、ニューヨーク大学で企業ブランディングを学んだ私が、サウンドロゴ、ソニックブランディングに関する基礎的な内容をこちらの記事でご紹介していきますので、もし興味のある方はぜひ読んでみてください。
まず最初に、サウンドロゴを作成することによってもたらされる効果についてまとめていきます。
企業は様々な競合がいる中で差別化を図っていかなければならず、日々熾烈な競争渦にあります。
そんな中、サウンドロゴは1秒〜2秒の短い時間で、自社製品・サービスのブランドイメージを与えることのできるツールとなります。
PayPay、と言う決済音が聞こえるたびに、「あの人もPayPayを使っているんだ」となりますし、Netflixのダダーンという音を聞けば、物語の世界に没入していくようなワクワク感を感じることができます。
ブランディングのための一つの手段である動画ブランディングの場合では、サウンドによる印象付がない場合は、1秒2秒でブランドイメージを伝えることは難しいのですが、サウンドロゴを組み合わせることで自社の製品をきちんと訴求することができるでしょう。
特徴的な音が生活の中に馴染んでいくと、日常でサウンドロゴを聴くことになるので製品を使う、思い出す動機が増えます。
カフェで仕事をしていると、他のお客さんが「PayPay!」と支払いをしているとすると、PayPayの赤いロゴや決済画面が頭の中にイメージされるのではないでしょうか。
もし仮に飛行機に乗っているとき、横の席の方がNetflixを開き、「ダダーン」という音をきくと、自分も見てみようかなぁと言う気持ちになるのではないでしょうか。
私たちは日常的にスマホを持ち歩いて生活しているので、特にスマホから聞こえてくる音は印象づき、その商品を使う動機になってくれる可能性を秘めています。
サウンドロゴは、ソニックブランディング・サウンドブランディングと呼ばれる、音による企業や商品のブランディングの要素にもなっています。サウンドロゴよりは長いが短い音楽であるジングルや、企業のオリジナルソングなどによって、自社製品のブランディングにつなげていける可能性を持っています。
すでに多くの企業がサウンドロゴの作成によってブランディングに成功しています。下記は一例になりますので、ぜひご参考ください。
ニンテンドースイッチときくと、「カチっ!」という印象的なサウンドロゴを想像することができるのではないでしょうか。発売当初からCMで一貫して使い続けられるこのサウンドロゴによってスイッチのワクワク感やゲームの面白さ、期待を感じることができます。
実際にスイッチのコントローラーをはめて使う時のようなサウンドになっているので、無意識のうちにゲームをするときの感覚になることができます。
競合であるSonyのPlaystationも同等に、CMの前や製品説明動画の後などに「プレイステーション」と、製品名を言うサウンドロゴが使われていますね。
「ポキーン」と言うライトな印象のサウンドロゴは、決済完了時に聴くことができます。私たちがよく使っているiPhoneの中には様々なサウンドロゴが使われていますが、Apple Payの音はその中の一つです。
同じく決済系サービスでは、Mastercardがサウンドロゴを巧みに使って成功した事例がありました。QUICPayやiDなど、決済完了時には様々なサウンドロゴを聞くことができますね。
ちなみにApple PayのCMはカード各社が様々な表現で作られています。
ダダーンという、アプリを開いたときやCMを見たときに使われるサウンドロゴはあまりにも有名です。映画館にいるような重厚なサウンドが私たちを包み込んでくれて、映画やドラマの世界に没入させてくれます。
こうしたNetflixは非常にサウンドロゴの活用が上手くいっている事例ですが、サービス内容とサウンドロゴの空気感やイメージが本当にあっているか?と言うところは注意をしなければなりません。
Netflixが始まる前に Apply Payの決済のような軽い音だったり、マクドナルドのi'm lovin' itのような明るく楽しそうな印象を得るサウンドロゴは、合わないのです。音に対する印象は、感覚的なところも多いため、正解を見つけていくのは難しいですが、間違ったサウンドイメージを持たせてしまうと、サービスのブランドを壊してしまいかねませんので注意が必要です。
サウンドロゴを依頼するときの料金の相場感は大体5万円〜15万円になるかと想定します。
ただし、どのアーティストをアサインするのか、企業や個人どちらに頼むのかなどによって料金はもちろんばらつきますので、詳しくはサウンドロゴを作成してくれる会社に問い合わせしてみるのが良いかと思います。
株式会社DoFullは文科省、丸井、POLAなども手掛ける動画制作の会社になります。
また、BGMやサウンドエフェクト、今回ご紹介したサウンドロゴに関しても制作が可能となっており、動画ブランディングの際のサウンドロゴからの制作も一括してご相談いただけます。
今回ご紹介したサウンドロゴに関しては、大体15万円〜30万円で相談可能です。
企業ホームページ:https://www.dofull.co.jp/
Sound Logo Japanと言うサービスをやっており、様々な会社のサウンドロゴを手がけている専門の会社です。
代表は「あたりまえ体操」の声の主であり、広告仕事を主とした音楽プロデューサーとして活躍するようになっています。
企業ホームページ(ロゴ引用先):https://sl-j.net/
グランドファンクは東京都港区の音楽制作を専門とする会社です。映画の予告やCM制作など、幅広く対応しており、サウンドロゴに対しても良いアウトプットが期待できます。
企業ホームページ:https://www.grandfunk.net/
いかがでしたでしょうか。サウンドロゴはまだ情報も少なく、これから様々な企業が取り組み、知見をアップしていくのではないかと想定されます。
スタートアップ系の企業でも、自社を打ち出す一つの手段としてサウンドロゴを検討してみるのはいかがでしょうか。
これからも引き続き、動画、ブランディングに関する情報を発信していきますので、よろしくお願いします!
今回の執筆者:河辺